プリウス 新型は様々な進化を遂げています

プリウスの新型は、燃費の向上や、ドライブフィーリングはもちろん、様々なところで進化を遂げています。
インストゥルメントパネルについてですが、新型はより明るく広く感じる仕上がりになっています。
着座位置の低下よりもボンネット高の低下の方がより、大きいため前方の視界は向上していますし、ワイパーもほとんど視界から隠れました。
またAピラーを細幅化し、手前の細いピラーを廃止したことにより、斜め前方の視界も拡大しています。
側面から見てみると、Aピラーの角度が大きく起き上がったため、ヒップポイントからサイドガラス上端までの距離も、
実測値でざっと50mm程度広くなっていて、着座の位置が低くなったにもかかわらず、乗降性は向上しています。
ちなみに、フロントガラスは明るくなった印象とは逆に小型化しているのも驚きです。これはきっと軽量化に貢献していると感じます。

またインパネのデザインも大きく変わっています。先代プリウスの特徴だったインパネとセンターコンソールとの間を橋をかけるように結んでいた「空中回廊」と呼ばれていたものは姿を消し、
「表示系遠方、操作系手元配置」の考えをさらに進めた使い勝手を重視した立体レイアウトに進化しています。
正面には光輝材入りピアノブラックと高輝度シルバー塗装トリムを組み合わせた加飾パネルが付いています。
左右端のエアの噴出し口がドア内張に食い込んでいるようなデザインにも注目です。このデザインによって、プリウス新型はインパネと室内を幅広く見せることに成功しています。
レジスター自体もガラス繊維強化ナイロン材を使用して強度、剛性をアップさせているようです。

前席のシートも進化しています。着座の位置が、下方に59mm、後方に59mm下がったフロントシートは、TNGAに合わせて新しく開発されて、ニュープラットフォームです。
今後ヴィッツからカムリまでシートにはこの基本設計が使われるようになると思います。
座り心地を比べてみると、お尻の下に集中していた荷重が分散されていて、包み込まれるような、フィット感が得られていました。
後ろと左右から腰下を支える保持性も明らかに上がっています。これによってロングドライブのときの腰や、背中への負担が減って、
乗員の疲労が減るのはありがたいですね。

シートのハイト調整は先代プリウスの26アップ/22ダウンに対して、24アップ/39ダウンとなっていて、より微調整が効くようになっています。
ステアリングのチルト/テレスコピック調整幅は30mm/35mmから35mm/35mmへと拡大されていますが、座面をもっとも高い位置にした場合は、ステアリング位置がついてきません。
着座の姿勢を好みに合わせるという発想よりは、どの体格の人でも適正な運転姿勢が取れるようにするための調整機構だと感じます。

剛性アップや運転フィーリングの向上が嬉しいです。

今までプリウスへの世間の関心は、やはり燃費にありました。
ついに「E」で40.8l/kmに達しました。
さすが時代を作ってきた車ですね。

しかし、今回より注目されているのが、走りの性能部分や、フィーリングです。
ドアを開けて、運転席に座っただけで、今までのプリウスとの違いが感じられます。
それほど、劇的に変わっています。

まずは先代よりも59mmも低く設定された前席ヒップポイントについてです。
これまでのプリウスは、セダン系としてはアップライトな乗車姿勢が特徴となっていましたが、4代目となる今回は、手足を自然に伸ばしたドライビングポジションをとることができます。

目線が低くなることによる、悪影響を心配する人もいるかもしれませんが、
むしろ目線は改善していると思えます。
リアクォーターウィンドウを廃止したにも関わらず、後方の視界は全般的に向上していて、左右の視界も広がっています。

しかし、いちばん進化を感じれるのが、意外にも前方の視界です。
理由としては、カウルトップ高の低下とワイパーのコンシールド化とフード形状の工夫が上げられます。

従来型と比べて、新型プリウスは全長で60mm、全幅が15mm大きくなっていますが、視界の改善のおかげで、むしろ取り回し性は良くなっています。
さらに見逃せないのが、最小回転半径も0.1m小さくなっている点です。
これだけでもかなり運転がしやすくなりますね。

また、乗降する際に気づく点としては、ドアの閉まり音の変化です。
ボディ剛性の直感的に感じることができる、しっかりとした音色になっています。
加えて、シート合わせをする際には、シート取り付けの剛性さえも大幅に強化されていることにも気づくことができます。
まとめると、基本となる部分をしっかりと作りこんだことが、運転の頼りになるフィーリングにつながっているということですね。

さて、気になる走りの印象ですが、まとめて言えば、普通の人が、普通に運転をすることができるようになったという点が、最大の進化です。

これまでのプリウスはどうしても、燃費に重視を置いている印象があり、運転に関しては若干の違和感を覚える人が多かったです。
例えるなら、駆動用バッテリーの充電状態によっても、加速感やブレーキングのフィーリングが変わっていた点が上げられます。

「アシストが効いている」「回生で電気を貯める」などハイブリットカー独特のフィーリングを好意的にとらえる人もいましたが、どちらかといえば、「なんだかスムーズではない」など不満に感じていた人の方が多かったです。

しかし今回の新型では、自然な走りを実現しています。
加速シーンでは、右足の動きにリニアな応答を示してくれますし、モーター走行から、エンジン走行に移行する際にも、いきなりエンジンがうなり声をあべ、微振動を伝えることもなくなっています。これにはびっくりしましたし、好感をもてました。

ハイブリッドカーの特徴である、静寂感にもさらに磨きがかかっていて、全体的に走りの質感が引き上げられている印象です。

プリウス 新型は4駆も魅力的です。

残念ながら今までのプリウスは、寒冷地や、積雪地に住む人や、
ウィンターレジャーを趣味とする人にとっては、欲しくても、
実際の活用を考えると、なかなか買い辛いクルマでした。

理由は簡単で、4駆の設定がなかったからです。

そういう人達にとっては、今回の新型プリウスの最大のトピックは、
待望の4WDモデルの登場になります。

4駆のメカは、E-Fourで、エスティマやハリアーハイブリッドでお馴染みなものとなっています。
これは電動モーターで後輪を駆動させる方式のものです。

開発者の話によると、初めは通常のプロペラシャフトを持つメカの採用も検討されたそうです。
しかし、燃費のロスの面と考えたときに、新型プリウスへの選択ではないとなりました。

簡単に言うと、4駆に求められる低ミュー路性能と、高効率のバランスを考えたうえでのE-Fourの採用となっているわけです。

リアのモーター性能は7.2ps/5.6kgmとなっています。
また、モーターで後輪を駆動できるのは70km/hくらいが限界となっているらしく、このことから、発進や、低速域をカバーすることを目的としていると考えられます。

これは、一般的に言われる生活のなかの4駆としては十分ですね。
雪国での運転を考えても、一番の懸念事項である、坂道発進をこなすことができるので、そういう面での能力に不足はありませんね。

気になるところとしては、動力の性能になりますが、FFより70kg程度増えた車重の影響は残念ながら感じられます。
加速のシーンの出足のときの勢いや、速度の伸びが若干ながらスポイルされた印象となっていて、ハードめのブレーキングの時もクルマの重さを感じてしまいます。

全体としてエンジンに掛かる負担がどうしても大きくなってしまうために、加速時に若干ノイジーに感じられるのもFFとの違いになります。

しかし、ハンドリングのバランスという面では、4WDも良好となっていて、乗り心地の快適度も高くなっています。
5mmの車高アップのマイナスもほとんどなく、シャシーセッティングもうまくまとめられています。

プリウスの4駆を待っていた人にとっては、間違いなく良い仕上がりになっていますね。